<ダイハツ・ヨネックス・ジャパンオープン2018観戦記その3>

さて、その試合中、興味深いシーンがあった。レシーバーとなった奥原選手が、相手に「待て」のポーズをとっているのに、マリンがサーブを放つシーンが度々あったのだ。これに奥原選手が注意するよう審判に促したところ、対する審判の判断は意外なものだった。何と、むしろサーバーを待たせた奥原選手のマナーの方が注意される結果となったのだ。

通常、日本では相手の準備を待たずにサーブを放つことがマナー違反であるという考え方が支配的だが、国際ルール上は遅延行為をマナー違反と考えているので、こういった裁定となるのだ。古来より、勝負の世界では相手を待たせた方が有利となることが知られており、宮本武蔵が佐々木小次郎との勝負を遅刻したのもそれが理由であったとかなかったとか。相撲でも、立ち合いは、いかにして相手を待たせる状況をつくれるかで間の取り合いが生じる。奥原選手は数々のルーティーン・ワークでこの間合いをつくり出すのを得意としているが、今後はそこに時間をかけることを注意される機会が増えるかもしれない。

個人的には、どちらかといえば国際ルールの考え方に賛成で、レシーバーはサーバーの準備が整っているなら、相手を待たせず直ちに構えるべきだと考える。なぜなら、レシーバーはサーバーにやり直しを要求できるが、サーバーは審判がレシーバーに注意しない限り、相手の遅延行為を我慢するしかなく、アンフェアであるからだ。今後、本当のマナー違反は相手を待たせる側にあるという認識が一般的となってくるかもしれない。

かくして、奥原選手のウィニングランとはならず、幾分残念な感はあったが、それでも、リオ五輪金銅メダリストたちの目いっぱいのプレーが観られて満足だった。奥原選手は怪我が多く、元気な状態の試合を観られる稀有な機会であったのは間違いないからだ。帰宅予定時間を考えると、次の男子ダブルスを最後まで観られるかどうかは微妙だったが、インドネシアのギデオン・スカムルヨペアは相手の中国ペアを第一ゲームから圧倒し、その実力をいかんなく発揮する展開となった。彼らの躍動的なプレーは昔の強豪、リッキー・マイナキーペアを彷彿とさせるもので、オジサンには何かしら懐かしかった。彼らの大活躍のおかげで5時半には試合が終了し、最後まで試合を見届けることができた。先輩の観戦席はコートを挟んで反対側だったため、ショートメールで別れを告げると、そそくさと会場を後にしたのだった。

帰りの電車は飛田給駅から各駅停車に乗り込んだが、この電車に乗り込んで出発を待っていると、見覚えのある中年夫婦が車内に乗り込んで来た。奥原選手のご両親である。心中を慮って声をかけることは憚られ「お嬢さんは良く頑張りましたね」と心の中で称賛するにとどめておいた。実は今年、奥原選手にはいくばくかご縁があり、夏に開催された医師バドミントン大会では奥原選手のお兄さんと対戦することができた。妹さんによく似たイケメンであったのが印象的だった。京王線では調布で特急に乗り換える手はずだったが、これをしくじったので、予定より新宿到着が遅れてしまった。

そこで京王電鉄さんへお願い。
せっかく東京五輪バドミントンが開催される特別な場所の最寄り駅なのだから、乗り換えなんて野暮なことをしなくて済むよう、飛田給駅にも特急、準特急をとめてくださいな。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック