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zoom RSS <診断材料としてのMDS>

<<   作成日時 : 2018/05/16 12:47  

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■疾患の理解
Medical Dynamic Stretchingを施行するようになって、これまで原因不明と言われていた種々の整形外科疾患に対する理解が深まった。医学は概ねそれらを弁別することを専らとする学問であるが、ここでは逆に、ばらばらに考えられていた病気の共通項を整理してみる。
■筋肉それ自体の圧迫を受けて起こるもの
まず、弛緩不全を呈した筋肉それ自体が神経を圧迫する病気として、梨状筋症候群(坐骨神経痛)やモートン病、手指の末梢神経障害がある。これらにはいずれもMDSが奏功する。
■牽引力が作用して起こるもの
次に、筋肉の弛緩不全が骨格の付着部に牽引力として作用することで生じる病気としては、小児ではオスグッド病やジャンパー膝、セーバー病、成人では慢性腰痛症、腰椎分離症、上腕骨外側上顆炎、腸脛靭帯炎、鵞足炎、アキレス腱炎、腓骨筋腱炎、有痛性外脛骨症などが挙げられ、MDSが著効する。
また、筋肉の弛緩不全による牽引力が間接的に作用することで生じる病気として、ケルバーン氏病や弾発指、肘部管症候群などがあり、それらは病初期であればいずれもMDSが著効する。
■軸圧が作用して起こるもの
一方、筋肉の弛緩不全が関節に対する軸圧として作用することで起こる病気としては、小児では単純性股関節炎がその代表で、成人では手背ガングリオン、へバーデン結節、変形性膝関節症、変形性股関節症、腰椎椎間板ヘルニア、変形性腰椎症、フライバーグ病などが挙げられる。いずれもMDSが有効だ。
■MDS無効例
逆に、MDSが無効である症例は重度の筋組織内脱水と骨折である。病初期に骨折があるか否かレ線所見だけでは判断に苦慮する場合、MDSが有効であるか否かは診断に有用だ。
無論、骨折や骨挫傷はMRIによる画像診断では明らかとなるが、レ線所見と問診だけでは必ずしも骨折を疑われない症例がある。大した外力が加わっていないと考えられても、骨粗鬆症を背景に骨折を来している場合があるのだ。実際、脊椎圧迫骨折は医師による見逃しの多い怪我の一つである。圧迫骨折のごとく、軸圧が骨格の構造強度の閾値を超えて作用すると起きるものは、他に脛骨近位部に生じた水平骨折や骨挫傷が挙げられる。これも脊椎圧迫骨折と同じく見逃しの多い怪我の一つで、変形性膝関節症として扱われてしまう場合がある。
■大腿骨頭壊死症とは
同様に、特発性大腿骨頭壊死症として扱われる症例の中には、軸圧が高じて生じた大腿骨頭の骨挫傷や骨折が含まれているに違いない。骨頭内の損傷が同部の血流不全を生ぜしめるのだ。レ線所見では骨傷が不明瞭なそれらは変形性股関節症の初期症状として扱われてしまう場合があるが、初期骨折に対してはMDSが無効であるため、本当の変形性股関節症と区別し得るのだ。筋組織内の脱水が解消されているにも関わらず、痛みに対してMDSが無効ならば、骨折を疑ってしかるべきだ。MDSは治療としてだけでなく、診断の一助としても有用なのである。

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