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zoom RSS <バドミントン・フットワーク考>

<<   作成日時 : 2010/09/15 15:02   >>

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バドミントンのシングルスプレーヤーを品定めするとき、もっとも興味をもって観察するのは、その脚の運び、いわゆるフットワークである。単にフットワークの速さを観るのでなく、いかに美しく脚を運んでいるかという点だ。
何がどうなら美しいかというのをコトバで説明するのは難しいが、股関節や膝関節、足関節に負担のかかりにくいフォームで、前後左右への方向転換が滑らかなものがこれに該当する。

男子選手で例を挙げるなら、文句なくリン・ダン選手がナンバーワンだ。リン・ダン選手は強打ばかりが注目されがちだが、実はフットワークこそ、もっとも優れていると小生は考察する。ライバルであるリー・チョンウェイやタウフィック・ヒダヤットらと比較してもその差は歴然としている。リー選手のフットワークは確かに速いが、リン・ダンに比較すれば、やはり幾分ぎこちなさが拭えない。それでもリン・ダンと同等に戦えるのは基礎体力が図抜けているからなのだろう。しかし、必然的に怪我が多くなるのは避けられまい。

過去にリン・ダン選手と同程度にフットワークが美しい選手を挙げるとすれば、男子では趙剣華や楊陽しかいない。いずれも一時代を代表する中国選手だ。フットワークの美しさという点では、現代バドミントン選手のそれは随分と進化したのかもしれない。過去のトッププレーヤーであるリム・スイ・キンや、モルテン・フロストのフットワークにはいくつもの難点を指摘できるからだ。
フットワークの良し悪しは、新しい選手の潜在能力を予見するもっともよい指標になる。以前、まだ無名のころのゴン・ジーチャオ選手を初めてヨネックスジャパンオープンで観たとき、そのフットワークから、いずれ彼女の時代が来ると予見したものだった。そしてその後、彼女は実際、オリンピックチャンピオンになった。

2008年北京五輪後の大会で、このゴン選手を観たときと同じように高いポテンシャルを感じさせる女子選手を見つけた。それが、ワン・リンである。彼女は同年代のワン・イーハンと比較する限り、実績こそ劣るものの、そのポテンシャルはワン・リンの方が上だと小生はみていた。すると、2010年の世界選手権では、ワン・イーハンを破る金星をあげた日本の廣瀬らを退け、危なげなく優勝してしまった。やはり来たなという感じ。

日本の廣瀬選手のフットワークを分析すると、フォア奥の球際に強いということが挙げられる。これはフォア奥への足の運びが滑らかであることと、脚力の強さがかみ合っていることの証である。一方、彼女の弱点はバック奥だ。これは、左脚での着地時につま先が内向きに入る癖のため、体重が残ってしまい、フットワークの流れがそこで止まってしまうことに原因がある。だが、その欠点を補うためか、彼女にはバック奥から放つ切れ味の鋭いドロップショットがあり、バック奥に球が集まるのを回避しているようだ。相手選手からすれば、下手にバック奥を狙うと、ドロップショットでやられてしまうことになるからだ。
しかしながら、彼女のこの欠点は、試合数が増えるに従い、左足関節(足首)に負担を強い、将来、アキレス腱や外側靭帯負傷の原因となるだろう。改善点としては、左膝の向きをもう少し外側に向けて着地することだ。膝を外に向けるとは、股関節を今よりほんの少し外旋位にして着地することである。そうすることで必然的につま先は外を向いて着地できるようになるので、バック奥から前方へのダッシュが滑らかになるはずである。もっとも、そのためには股関節周囲のインナーマッスル強化が不可欠だろう。

一方、日本男子のホープ、田児選手はどうだろう。ネット前の小技から勝機を見出すスタイルであるためか、フットワークには全体的に躍動感が乏しい。できるだけ走らずに体力を残しておきたいプレーヤーにありがちなフットワークだが、たまに動いている場面をみる限り、問題はなさそうにみえる。しかし、彼の好不調は、ホームポジションで相手の攻撃を待つときの腰の高さ、即ち膝関節の屈曲角度と踵の浮き具合によく表れる。調子が悪いときは腰が高くなってしまい、ベタ足で踵が床についてしまうのだ。好調時にはその逆。もっとも、この現象はあらゆるバドミントン選手に共通するので、特に田児選手のそれに問題があるというわけではない。

美しいフットワークとそうでないフットワーク、滑らかなフットワークとそうでないフットワークの違いを一つだけ具体的に表現するなら、両膝の間隔と向きであろうか。優れたフットワークほど、両膝が重ならない。つまり、両側の股関節が常に外転、外旋位を維持して両膝とつま先がそれぞれ外を向き、それらが近づきすぎることなく、あたかも膝下だけで動き回る印象を観る者に与える。両膝の間隔が近づいてしまうフットワークは、まっすぐ前に走るだけなら速いに違いないが、打った後、瞬時に前後左右に方向転換して動く必要のあるバドミントンの動きとは相容れない。ガニ股維持の蟹走りが、この競技におけるもっとも美しいフットワークであると愚考する。

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フェラガモ 靴
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フェラガモ 靴
2013/07/03 08:39

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