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zoom RSS <Medical Dynamic Stretchingの実際B功罪>

<<   作成日時 : 2017/01/30 14:55   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 4

筋力強化が治療になるのか
ここまでMDSの効用と筋力強化の弊害について論じてきたが、脱力が肝心だ、などと言ってみたところで、なかなか理解が得られぬ相手も多いに違いない。多分、その急先鋒は同業者である整形外科医だ。実際、筋力強化を目的とした現行の運動療法でも、それなりの治療効果が認められるからだ。ここでは、何故、既存の運動療法が筋力強化を目的としていても症状を改善させてしまう場合があるのかについて論じてみる。

歩くことは健康に良いのか
外来で患者からよく受ける質問の一つに、「歩くことは身体に良いのか」がある。簡単な質問のようだが、実は、この問いかけにこそ、なぜ、筋力強化を目的とした運動であっても良くなる患者がいるのかという謎を解く鍵があるのだ。外来では、定年退職後、突如健康に目覚めてウォーキングを始めた高齢者が、ウォーキング開始後ほどなくして膝や腰が痛くなって受診してくるというケースが珍しくない。その一方、同じように、歩く習慣を始めてから膝痛や腰痛が治ってしまったというケースもある。どちらも確実に存在するので、ありきたりの医師ならば、先の質問に対し、歩くことは身体に良いのだけれど、歩きすぎは良くないという返事でお茶を濁すことになるだろう。

歩行に潜む二面性
そもそも、歩くという行為は自重を運搬する行為であり、体の各関節と筋肉にとっては負荷となる側面がある一方、関節の屈曲、伸展に伴うダイナミック・ストレッチとしての側面もある。つまり、年齢や体重など各々の個別的要因によって、どちらの作用が強く表にでるかで、体に良いかそうでないかが決まると考えられるのだ。例えば、年齢が比較的若く、歩くという行為がさほど負担にならない場合、歩行に含まれるダイナミック・ストレッチとしての影響が強く表れるので、体には良いといえるが、逆に高齢であったり、肥満があったりすれば、ストレッチとしての効果より、負荷としての影響が強く表れることになるので、健康を害する原因になるということだ。

筋力強化が奏功しているわけではない
即ち、筋力強化を目的とした運動療法であっても、そこにストレッチの効果や神経伝達機能の活性化につながる影響が含まれているから、症状の軽減をみることができるというだけの話であって、筋力強化によって症状が改善するわけではないのだ。とはいえ、こうした運動療法でも症例を選べば、それなりに良い治療成績をあげることができるので、目下、筋力強化が良いと信じられているに過ぎないのである。ゆえに、本当は筋肉にかかる負担を排し、最初から筋弛緩を得ることに徹した運動療法であるMDSを行う方が、治療として効率が良いのである。Medical Dynamic Stretching(MDS)と名付けた理由がそこにある。

MDSの功罪
MDSには将来の整形外科疾患を激減せしめる可能性があり、整形外科医と製薬会社、そして柔道整復師の利益を損ねることになるだろう。しかしながら、学会でかくのごとく論じようものなら、袋叩きにされるか、無視されるのがオチである。それは、カルト教団に教義の間違いを指摘するようなものだからだ。王様は裸だと指摘するのは厄介な仕事なのである。よって、まずは整形外科医の治療に失望し、本当の治療を求めている気の毒な人々のもとに本稿が届くことを祈るのみだ。

http://64172503.at.webry.info/201702/article_1.html

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。

関節症の医療方法について、MDSの効用と筋力強化の弊害についてのお話を拝読しました。専門的な難しい事はわかりませんが、仰るように患者の年齢・体重・患部の症状・生活習慣等々に応じて、治療方法を選択するのが良いと思います。負荷の多い運動やストレッチは逆効果になる場合があるでしょうね。

お釈迦様が生き方を信者に話す時は、『 対機説法 』と言う方法で、信仰心や判断能力に応じて言葉を選んで使い分けて説法しています。医療行為も患者の状況を総合的に判断して、身体に安全で治療費も安価な、患者側の立場になった方法がベストだと考えられます。

治療にあたり点数の増加( 診療報酬 )を追求して、過剰な投薬・高額な医療機器による検査・外科手術を奨励・等々を行うのは本来の医療とは言えませんね。医学の原点に立ち『 医は仁術なり 』と言う格言もあり、医療行為は人命を救う博愛の道であると思います。

小生の見解を少し書きましたが、SHOさんも勇気を持って論文としてまとめて学会で発表されたり、書物として出版し社会に問いかける事も出来ると思います。
華の熟年
2017/01/31 14:54
コメントありがとうございます。
本稿の主旨は、負荷を与える筋力強化は治療として役に立たず、適切な筋弛緩を得ることがもっとも優れた治療であるというものです。
テレビにでてくる整形外科の諸先生方は皆さん筋力強化を治療法として提案されるわけですが、小生の持論は、これに真っ向から反対しているわけです。

小生、学会とは疎遠な医師生活を送ってきたへそ曲がりですので、今後も学会で報告することはないと思います。
もとより、学会はこういうボリュームのある内容を発表するには不向きな場所でもあります。
よって、書籍として世間にアピールすることは考えていますが、それも、肩書きを持たない一介の町医者の著作物を出版してくれる、お人よしの出版社があればというお話ですね(笑)。
SHO
2017/01/31 18:18
再度のコメントです。
原稿を募集している自費出版会社は多数あります。出版出来るか?売れるか?どうかは書籍の内容によります。著者の性別・年齢・職業の制約はありません。B6版のサイズ、250ページ、500冊、を書店流通で販売する時は約百万円くらい必要です。原稿の文章を校正したり写真やイラスト等を挿入すると費用も更に増加します。私は数社の自費出版会社から見積書を入手した経験あります。
華の熟年
2017/01/31 19:52
お返事有難うございます。
熟年様とはお話が合いそうです(笑)。実は小生もかつて自費出版会社の口車に乗せられ、協力出版の名のもとに本を出したことがあります。出版費用の一部を負担するという名目でしたが・・・。
出版社は、原稿を募集しているのではなく、己の原稿に大枚をはたくお人よしを募集しているに過ぎません。
ゆえに、小生、出版社が全額費用を負担する出版でなければ出版する気はありません。
ですが、出版業界も大変らしく、売れるもの以外、出版されることはないようですから、出版して内容を世に問うのは難しいと思います。
SHO
2017/02/01 10:01

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