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zoom RSS <ヨネックス・オープン・ジャパン2015観戦記>

<<   作成日時 : 2015/09/21 23:08   >>

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以前にも書いたが、ヨネックス・オープン・ジャパンはオリンピック前年に観に行くのがもっとも面白い。この時期、オリンピックを目指す各選手のモティベーションとコンディションが最高潮に達しつつあるからだ。ただ、残念なのは今大会が世界選手権直後にあるため、有力選手の疲労が回復しておらず、パフォーマンスが十分でない場合のあることだ。
前回、この大会を観に行ったのは、ロンドン五輪前年の2011年だった。男子シングルスのリン・ダン観たさに特別席を購入して決勝戦を観に行ったものの、決勝にあがってきたのはチェン・ロンとリー・チョンウェイだったのを憶えている。

バドミントンの歴史を振り返り、過去の名選手の数々を動画で観るに及ぶと、やはり、リン・ダンは史上最高、最強の選手だと確信せざるを得ない。ゆえに、彼のような選手の再来を待っても、それがいつになるかはわからない。よって、リン・ダンのプレーを観ることのできる機会があるなら何とかしたいと、ここ数年チャンスをうかがっていたのだが、ついにその稀有な機会が巡ってきた。リン・ダンが決勝戦に勝ち上がってきたのである。
平日は仕事で観戦が無理でも、日曜なら日帰り上京で試合を観に行くことができる。その前日の土曜日、リン・ダンが準決勝に進出したことを知って、もし、リン・ダンが勝って決勝に進出するようなことがあれば、何をどう差し置いてもYOJを観に行くと、細君に無理やり約束を取り付けたのだった。細君は彼が負けると高をくくって賭けに応じたが、その日、バドミントンの神様はこの無類のバドミントン馬鹿に微笑んでくれた。

日曜早朝、タクシーで岡山駅に出向き、新幹線で一路品川駅へ。東京体育館へは東京駅まで行くより、品川駅で降りて山手線で代々木駅まで行き、そこから総武線に乗り換えて千駄ヶ谷駅で降りるのが一番早い。実際、新幹線を降りてからの所要時間はたった30分だった。千駄ヶ谷で改札を出ると、目の前に体育館が見えた。駅の脇には交番があるため、ダフ屋らしき不審人物も全く見当たらない。会場到着時刻は午前11時過ぎ。

入口で当日チケットを買い求めると、案の定、アリーナ席は完売で入手不能だった。仕方なくスタンド席を購入して入場するも、すでにめぼしい席はいっぱい。それでも、一人だけならどうにかなるかも知れないと空席にみえるあちこちの場所をたずね歩き、何とかコート正面から斜め後方の席に座ることができた。だが、そこでは試合の臨場感を味わうにはまだまだ遠い上、両隣は女子中高生で、風邪気味でマスクをしたオッサンがたった一人で座るには、いささか居心地が悪かった。

かくして満足とはいえない場所での観戦が始まった。一試合目はミックス・ダブルス。もともと自分自身がシングルス好きなので、二試合目と三試合目に女子単と男子単が組まれているのはありがたかった。これなら、帰宅時間を気にせず男子単を観戦できる。試合はファイナルにもつれる熱戦となったが、そもそもコートが遠い上に、隣の女子中学生が手にもつ応援用のスティック・バルーンが視界に入って目障りなことこの上なく、観戦に集中することができなかった。応援時だけならまだしも、通常時からずっとそれを縦に構えて目の前に持っているものだから、常にこちらの視界を塞いでしまうのだ。まあ、子供のすることなので我慢するしかないと諦めて観戦するが、これがお目当ての男子単だったらと思うと、座席の移動を決意せざるを得なかった。

いざ試合が始まると、客たちは皆座席にもどるので、どこに本当の空席があるかを見つけやすくなった。おかげでインタバル毎に席を移り、最終的に男子単はスタンド席の前から二列目に座ることができた。だが、席の事ばかり気にしていたものだから、女子単の試合にもほとんど集中できなかった。試合は奥原選手が両膝の怪我を乗り越えての初優勝だったが、負けたとはいえ、山口選手も前日は今大会で最も印象的な試合を演じていた。彼女らによる決勝戦は奥原、山口時代の到来を象徴していたが、この一角に美形女子である大堀選手が加われば、マスコミの扱いはさらに大きくなって、バドミントン界はもっと賑わうに違いない。

さて、今度こそ集中しようと決意した男子シングルス。長身のビクター・アクセルセン選手と一緒に入場したリン・ダンが心なしか小さく見える。アクセルセンのように190センチを超える選手というのはバドミントン界では珍しく、大抵、この手の大柄な選手は体に近い球を処理する際に不器用さを露呈してしまうものだが、この選手はすこぶる器用で、潜在能力の高さには定評がある。ただ、目下決勝戦での勝率が悪く、この試合には期するところがあるものと思われた。

他方、五輪二大会連続覇者の王者リン・ダンも、2014年のアジア大会以来、優勝から遠ざかっていて、直近の世界選手権ではアクセルセンと同じデンマークのヨーゲンセンに良くない負け方を喫していた。まさに、どちらが勝つかわからない好カードで、いやが上にも期待は高まった。だが、楽しいはずの試合観戦はまたしてもマナーの悪いガキどもに邪魔されることとなった。左に座っている数名の男子中高生、足元にラケット・ケースを置くのは良いが、それがこちらの足元にまで及んでいるというのに、全くよける気配がない。そればかりか、試合中にもかかわらず、ばたばたと色紙を手に席を離れたり、スマホをいじりだす始末。この子たちにはリン・ダンの試合がどれだけ価値あるものか全くわかっていないようだ。オッサンはこの瞬間のためだけに三万数千円をはたいて岡山くんだりからやってきているのだ。君らからすればただの変態なのかもしれないが。

試合は、アクセルセンのリードで始まったが、リン・ダンの老獪な球回しが光る内容で、一セット目は逆転でリン・ダンがとった。リン・ダンのショート・サーブの構えから繰り出されるドリブン・サーブに、アクセルセンが全く反応できていない印象だった。二セット目、一セット目と同じような展開でアクセルセンをリン・ダンが追いかける。だが、ここからリン・ダンの逆襲が始まるという場面で、マレーシア人のサービス・ジャッジが、リン・ダンのドリブン・サーブをフォルトと判定した。試合の流れに影響を与えかねないジャッジで、その後の展開が心配されたが、案の定、リン・ダンは流れをつかみ損ねてこのセットを落としてしまった。

そしてついに勝負のファイナル・ゲーム。序盤からアクセルセンがペースを掴むと、11点までに8点差をつける展開となった。並みの選手なら、このまま敗北は必至というところだが、何しろ相手は生ける伝説リン・ダン。ここからの追い上げが尋常ではなかった。勝負どころのラリーを次々に制していき、10−12まで追い上げた。だが、この場面で、またしてもサービス・ジャッジがリン・ダンのドリブン・サーブに無情のフォルト。さすがにここはリン・ダンもコートに大の字になって抗議の意を表したが、審判からイエロー・カードを食らう羽目に。勝敗の行方を左右しかねないビッグ・ジャッジであるため、会場中のリン・ダン・ファンのハートにも火がついた。中国人による“林丹加油”の応援だけでなく、明らかに日本人による“林丹加油”が会場中に響きわたることになったのだ。ここで特筆すべきは、緊迫した場面になればなるほど、リン・ダンのショットが冴えわたり、単なるつなぎのそれでさえ、決定力を持つに至るということだった。そのギアの上がり方にアクセルセンも我武者羅に食らいついて行くというシーソーゲーム。

ところが、である。この、バドミントン・フリークにはたまらない状況で、勝負を分けるスーパー・ラリーの最中、左隣のクソガキが落ち着きなくスティック・バルーンを小刻みに動かし始めたのだ。応援とも全く関わりのないその動きがこちらの視界を妨げて不快極まりなく、ラリーを観ながら一言物申すことに。「申し訳ないんじゃが、その風船じっとさせてもらえんかの」
すると一瞬、動きが止んだかに見えたが、その後は相変わらずちょこまかとこちらの視界を妨げる挙動が続くことになった。やれやれ、学校の先生も毎日バカどもを相手にして大変だと同情せずにはいられなかった。アリーナ席はといえば、中高生が少ないとみえて観戦マナーはすこぶる良い様子だった。

そんなこんなでガキどもの妨害にもめげず観戦を続けた結果、悲願であるリン・ダンの優勝を目撃することができた。裸になる御馴染みのパフォーマンスも、いつもなら下品に感じるところだが、今日だけは許すことができた。否、大の字になってジャッジに抗議して見せたパフォーマンスも含め、むしろ、ある種の清々しさを感じずにはいられなかった。それらパフォーマンスの数々は、それだけ彼がバドミントンに真摯に打ち込んでいる証なのだと。まあ、こういうのをファンならではの贔屓目というのだろう。

帰宅時間を考えると、この時点で会場を後にせざるを得なかったが、オジサンは既に十分満足だった。競馬で言うなら万馬券を当てたような心地とでもいえるだろう。帰宅後、細君のご機嫌をとるのは厄介だったが、それを補って余りある収穫といえた。さらば東京体育館。次は、桃田選手か大堀選手の決勝戦でまた来よう。

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