眠れぬ夜に思うこと(人と命の根源をたずねて)

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<<   作成日時 : 2014/11/15 13:27   >>

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先日、ある女子高校生が学校体育の授業中に足関節を捻挫して外来を受診した。聞けばバレーボール中の怪我であるとのこと。視診では足関節の腫脹が著明で、骨折か重度の靭帯損傷が疑われ、ギプス固定は免れ得ないと思われた。
「ひょっとするとギプスが必要になるかも知れませんが、まずはレントゲンを撮ってみましょう。」こう伝えると、付き添いの母親から意外な言葉を頂戴することになった。
「ギブスだけは巻かないで下さい。ギプスを巻いたら部活の顧問から叱られてしまいます。最近でもそういう子がいて、すぐにギプスを外されていました。」

何でも、患者自身が所属するハンドボール部の顧問の先生がとても厳しいのだそうで、怪我をしても休ませてもらえないばかりか、ギプスすら巻かせてもらえないのだとか。どうやら何事も根性で乗り切らせるのが大好きな先生らしい。実は、今回の怪我を負ったときの授業を請け負っていたのがその先生なのだそうで、捻挫して痛がるこの生徒に、無理やりバレーボールを続けさせたのだという。
腹わたが煮えくりかえるのを抑えながらレントゲン撮影を行うと、怪我の程度はさほどでもないということが判明した。骨折を疑うほどに腫脹していたのは、怪我をした場合の初期治療を怠ったためだろう。とはいえ、かくも腫れてしまっては、本来、数日で治癒する怪我でも、数週間はかかってしまう。

外傷治療の基本はRICEといわれ、R=rest「安静」、I=icing「冷却」、C=compression「圧迫」、E=elevation「挙上」で、スポーツの指導者らには、こうした基本を徹底させるよう日体協を通じて啓蒙が行われているはずなのだが、この先生には、そうした指導が行き届いていないのか、または独自の哲学でもあるのだろう。聞けば、この先生が顧問のハンドボール部はとても強いらしく、インターハイの常連校なのだとか。そのせいもあって、かなりの横暴が許容されているらしい。実際、強豪校といわれる部活動の指導者には、大抵、この手合いが混じっていて辟易とさせられる。

基本的に、高校教師が生徒に直接関わる期間は、生徒の長い人生の高々二、三年。つまり、指導者は生徒のその後の人生の面倒までみてくれるわけではない。ゆえに、生徒の将来に影響を与えるような怪我をさせるべきでは断じてないし、そのためには怪我に際して治療原則に即した初期治療を徹底すべきなのである。ところが、この種の輩は、インターハイ強豪校の顧問などと周囲からちやほやされた挙句、生徒の努力の結実たる輝かしい実績を、己自身の業績であるかのごとく錯覚してしまい、自らの虚栄心を満たすための道具としてしか、生徒を扱わなくなってしまう。このため、生徒の怪我に対しても無頓着になってしまいがちなのだ。そもそも、ほとんどの生徒たちは高校の部活動の成果で将来食べていけるわけではないので、部活動を通じて得られるのは、その精神の内側に残る無形の財産でしかない。とすれば、その財産と肉体の健康とをてんびんにかける場合は、あくまで生徒自身の選択であるべきで、教師がその選択を強要するなど、言語道断であるといえるだろう。

それでも、この種の痛い輩とは必ず人生のどこかで遭遇するものだ。そうなったとき、親の役割は、その種の教師から、自らの子供を守ることである。少なくとも、子供が二十歳になるまでの間、親は子供の人生に対して直接責任を負う立場なので、毅然とした態度で教師と接し、相手に迎合すべきでない。
勿論、こうした意見が全て正しいわけではなく、教師の側にも言い分はあるだろう。よって、数ある意見のうちの一つとして、この母娘には、いくらかお説教をさせていただいた。最終的に、己の人生に責任を負うのは己自身に他ならない。ゆえに、自分自身が何を選択するのかが重要なのであり、誰かの言いなりになってばかりいていけないということを力説した次第。

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