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zoom RSS <ゴルフで球を飛ばす筋肉―その1>

<<   作成日時 : 2011/12/01 12:54   >>

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整形外科医という職業柄、どの筋肉を鍛えればゴルフで球を飛ばすことができるのかを尋ねられることが度々ある。実のところ、ゴルフにおいては筋骨隆々とした者だけが球を飛ばせるというわけではなく、飛ばし屋の中には華奢な者も結構多い。となれば、やはり、特定の鍵となる筋肉があるに違いないという結論に達するが、意外なことに、ゴルフの得意な整形外科医に尋ねてみても、腹筋だとか背筋だとかの漠然とした答えしか返ってこないことしばしばだ。

飛ばしの極意とは何なのか。そうした疑問を持ち続けるゴルファーをカモにして、ネット上では怪しげな手引き書がいくつも売りに出されている。しかも、そうした虎の巻は大抵レッスン道具の通販を伴うという商売のカラクリがそこにある。この種の商売に献金するのは性に合わない。第一、人体のスペシャリストが考えれば、ある程度のことはわかりそうなものだし、実際、そうでなければならない。

近年、競技レベルの高いアスリートを診察する機会が幾度かあり、彼らの抱える症状から、球を飛ばす筋肉が何であるか概ね見当がつくに至った。明確なエビデンスはないので学会発表は憚られるが、現役でスポーツをたしなむ者の一人として、ある程度確信を持ってこれを断言できる。
しかも、この筋肉をキーワードにして検索すると、同じことに気付いている御仁は結構多いということもわかった。実際、巷にあふれるゴルフの指導書、それも球を飛ばす秘訣と銘打ったものは、いずれも、その筋肉の力を引き出すことに腐心しているといえそうだ。
つまり、直接筋肉を名指しするのでなく、あの手この手でもって、回りくどくその筋肉を使わせるという具合である。

ゴルフで球を飛ばす筋肉―鍵となるのはズバリ、腸腰筋だ。
腹筋、背筋ならいざ知らず、腸腰筋とは何だと思われる方も多いことだろう。腸腰筋とは所謂インナーマッスルの類で、体表面からはこれを視認することができない筋肉だ。それは主に腰椎の側面から起こる大腰筋と、腸骨の内面から起こる腸骨筋とが合した筋肉で、鼠径靭帯の下にある筋裂孔を通り、内股にある大腿骨の小転子に停止する。その作用は股関節の屈曲、即ち腿上げなのだが、ゴルフスイングにおいては腰の切り返しに用いられる。

石川遼選手はオフシーズンにクロスカントリースキーを行うのだそうだが、腸腰筋を酷使するこの競技は実に理に適ったトレーニングといえるだろう。
技術的にはゴルフのテイクバックで左膝を右膝に近づけてはならないといわれる所以もここにあると理解される。それは、腰を切り返す左側腸腰筋の収縮力を得る目的で、この筋を可能な限り伸展させておくためだ。この理屈によれば、空手家やサッカー選手がドライバーコンテストで上位にランクインする理由も難なく頷けることだろう。彼らは腿上げのスペシャリストなのだから、球が飛ぶのは当然なのである。

結局、華奢な体躯でも球を飛ばせる人がいるというのは、腸腰筋がインナーマッスルゆえに、発達したそれを体表面から観察できないことに由来するといえそうだ。飛ばし屋の場合、見た目に華奢であっても、CTやMRIでは、発達した腸腰筋を確認できるかも知れないのだ。ゆえに、腸腰筋を鍛えるか、もしくはこの筋肉の作用を最大限引き出すことができれば、ゴルフで球を飛ばすのは容易となるはずだ。では、どうすればこの筋肉を鍛えることができるのか。これについては、次回、詳述してみる。

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